2021年1月現在、コロナワクチンは海外で接種が始まっています。各製薬企業の開発競争もあってニュースでもいくつかの製薬会社名が飛び交っていますが、実はこれらのワクチンにはその方式にいくつかの種類があります。
コロナワクチンの種類
国 | 企業/アカデミア | ワクチンの種類 |
---|---|---|
米独 | ファイザー/ビオンテック | mRNA |
米 | モデルナ | mRNA |
英 | アストラゼネカ/オックスフォード | ウイルスベクター |
米 | ジョンソンエンドジョンソン | ウイルスベクター |
仏 | サノフィ | 組換えタンパク、mRNA |
米 | ノババックス(武田) | 組換えタンパク質 |
日本 | 塩野義/感染研/UMN ファーマ | 組換えタンパク質 |
日本 | アンジェス阪大/タカラバイオ | DNA |
日本 | 第一三共/東大医科研 | mRNA |
日本 | KM バイオロジクス/東大医科研/感染研/基盤研 | 不活化 |
日本 | ID ファーマ/感染研 | ウイルスベクター |
ワクチンの種類について
これまでのワクチンはウイルスを死滅させたり弱体化させた不活化ワクチンや生ワクチンが主体でした。
すでに接種が始まっているmRNAワクチンはヒトに実用化されたのは今回が初めてです。
mRNAワクチンについて
mRNAは生物の体を作るための設計図です。本来の設計図はもちろんDNAですが、mRNAはDNAから必要な情報を写し取ったもので、動物やウイルスの体を構成するたんぱく質はmRNAから直接作られます。
mRNAワクチンはウイルスの体の一部分の設計図になっており、これがヒトに接種されると、このmRNAからヒトの体自らウイルスの体の一部であるたんぱく質を作り始めます。このたんぱく質に対して免疫応答が起こる仕組みです。
mRNAの寿命は短いので一生ウイルスのたんぱく質を作り続けるようなことにはなりません。
また、ヒトの体が効率よくたんぱく質を作れるよう、mRNAワクチンは筋肉内に注射する必要があります。(インフルエンザワクチンなど皮下注射が多い)
日本のワクチンについて
日本はワクチンを開発・生産する技術はありますが、残念ながらワクチン後進国と言わざるを得ません。各社が開発を開始しており、しかも組換えタンパク質、DNA、mRNA、不活化、ウイルスベクターと様々なタイプがあることも興味深いですが、実用化はまだまだ先になりそうです。
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