ロケルマは血中のカリウムを下げるおくすりです。
日本では古くからケイキサレート、カリメートなどの高カリウム血症治療薬がありましたが、このカテゴリで新しい医薬品が発売されたのは実に45年ぶりになります。
ロケルマの特徴
薬効成分はジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(SZC)です。SZCは体内に吸収されない均一な微細孔構造を有する非ポリマー無機陽イオン交換化合物です。ロケルマの微細な孔はカリウムイオンの直径に近い平均約3Åとなっているため、他のイオンを無駄に補足せず、カリウムのみを選択的に補足することが期待できます。
ロケルマは消化管の中でカリウムイオンを捕捉して糞中に排泄させます。消化管の中のカリウムが減少することにより、結果的に体内に吸収されるカリウムも減少し、血清カリウム濃度を低下させます。
SZCはジルコニウムという金属元素を含んでいますが、模造ダイヤとして有名なジルコニアはこのジルコニウムの酸化物の結晶です。
ロケルマの飲み方
本剤は、水に懸濁後、経口投与します。
ロケルマの剤型分包内の全ての薬剤を容器に空け、約45mLの水に懸濁すること。本剤は溶解しないため、十分に懸濁し、沈殿する前に服用すること。沈殿した場合は、再び懸濁して服用すること。服用後に容器に本剤が残っていないことを確認すること。
ロケルマ添付文書より
ロケルマを懸濁する水の量
ロケルマの添付文書には水45mLで内服するよう記載されています。ですが、ロケルマの1回量は5g~15gと幅があります。どのように飲めばよいのでしょうか?
結論から言えば、どのような用量でも45mLの水で懸濁する、となります。
ロケルマは臨床試験では、どのような用量であっても45mLで懸濁したという経緯があります。
15gを45mLで懸濁できるのであれば、5gのときは15mLで良いと思えてしまいますが、そのように内服した場合の効果や安全性は今のところ確認されていません。これは海外の使用説明書を読んでも同様の内容になっています。
経鼻胃管投与
ロケルマを経鼻胃管投与をする場合、チューブが詰まる可能性があるようです。以下はロケルマのインタビューフォームからの引用です。この手順を参考としてください。
- 分包内の全ての薬剤を容器に空け、約25 mLの水に懸濁した後、注入器に吸引する。本剤が沈殿した場合は、再び懸濁してから吸引する。
- 外径8 Fr(フレンチサイズ)以上のチューブを用い、注入器とチューブを接続し、懸濁液を投与する。このとき、沈殿した本剤により注入器の先端が閉塞しないよう、注入器を水平にした状態から先端をやや上方に傾け、懸濁状態を保つために注入器を動かしながら投与する。本剤が注入器の先端に詰まった場合は、注入器を振とうし、本剤を再度懸濁させる。
- 容器中の残薬を約15 mLの水で懸濁し、再度注入器に吸引し、上記(2)と同様に投与する。
- 懸濁液投与後、約10 mLの水でチューブをフラッシュする。