国内初のSGLT2阻害薬としてスーグラ錠が発売となりました。
- 一般名:イプラグリフロジン
- 販売会社:アステラス
- コ・プロモーション:MSD、寿
SGLT2阻害薬全般についての情報はこちらをご覧ください
効能効果
2型糖尿病
用法用量
通常50mgを1日1回朝食前又は朝食後、効果不十分な場合には経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができます。
作用機序
詳細はSGLT2阻害剤のページを参照してください。
スーグラ錠はこのSGLT2を阻害することにより、一日約50gのブドウ糖と、200mLの水分を体外に排出します。
副作用
脱水(1日200mLの水分がスーグラによって排出されます)、尿路感染、低血糖(特に他剤との併用において)、便秘など
他の糖尿病内服薬とスーグラの併用について
スルホニルウレア(SU)、グリニド系、チアゾリジン、ビグアナイド、αグルコシダーゼ阻害薬、いずれとも併用可能です。ただし、すでにSU剤あるいはグリニドでの治療を開始しており、そこにスーグラを上乗せする場合はSU剤、グリニドの減量が推奨されます。減量の目安は半量ですが現状ではDPP-4阻害薬のような指針はありません。今後指針が作られるものと思われます。
インスリンとスーグラの併用について
併用は可能ですが添付文書では、
本剤とインスリン製剤、GLP‒1受容体作動薬との併用における有効性及び安全性は検討されていない。
となっており、推奨はされないものと思われます。併用する場合はインスリンの減量を考慮することとなっています。
GLP-1受容体作動薬とスーグラの併用について
併用は可能ですがインスリン同様推奨はされていません。
また、保険適応上、スーグラ錠にGLP-1作動薬を追加する場合は、GLP-1作動薬側の適応から外れることにもなります。(GLP-1作動薬にはSGLT-2阻害薬が効果不十分だった場合の適応が無いため)
簡易懸濁
55℃5分で8Fr通過とのデータがあります。
(簡易懸濁はメーカー推奨の内服法ではありませんので適用については各自でご判断下さい)
粉砕
25mg錠を粉砕後、5℃、湿度59%で30日間変化なし、25℃、湿度75% で30日間変化なしとのデータがあります。ただし、30℃、湿度92%で凝集、1000Lx30日間で白色から黄色に色調変化のデータもあります。
これらの結果から粉砕後30日間は防湿および遮光をすることで常温で保管ができそうです。
(粉砕内服はメーカー推奨の内服法ではありませんので適用については各自でご判断下さい)
飲み忘れた場合
その日の分は飲まず、次の日の朝に1回分を飲みます。一度に2回分を飲んだり、飲み忘れた分を夕方に飲むことはできません。
朝食をとれなかった場合
朝食をとらなかった場合の効能効果、副作用についてはデータがありません。糖尿病は食事療法が基本です。スーグラが処方されているかに限らずバランスのよい朝食を摂るようにしましょう。