SGLT2阻害剤


新しい作用機序の糖尿病治療剤SGLT2阻害剤が注目されています。
日本でも6剤が承認・申請段階で、今年から来年にかけて製薬会社15社ほどが絡んだ新薬ラッシュとなりそうです。

尿細管でのブドウ糖再吸収

人間の腎臓は、糸球体で血液をろ過していらないものを尿中に廃棄する役割を担っています。

実は、この糸球体のろ過では、尿中に「ブドウ糖」「電解質」などもたくさん廃棄されてしまっています。腎臓内の尿細管では、この廃棄されつつある成分を回収しており、これを再吸収と呼びます。この再吸収でブドウ糖、電解質、水などを再び体内に取り込んでいます。

糸球体ろ過では、実に1日180gものブドウ糖が尿中に捨てられていますが、健常人ではそのほとんどが尿細管で再吸収されます。

人間に限らず、動物の体内ではこういった相反する仕組みで成り立っていることが多く、こういった仕組みはホメオスタシスに役立っています。

ブドウ糖は重要な栄養源ですが、実は体内では毒ともなり得る物質です。糖尿病の合併症「網膜症」「神経障害」「血管障害」「腎障害」などをみればブドウ糖の毒性がわかるかと思います。

人間の体は、ブドウ糖が体内に多すぎる場合に体外に捨てられるように、この再吸収の仕組みを作ったと考えられます。実際に血糖値が高い人は尿糖になりますが、これは尿細管再吸収のキャパを超えたブドウ糖が体外に廃棄されたものです。

ブドウ糖の再吸収を阻害する

選択的SGLT2阻害剤は、尿細管での再吸収を阻害し、ブドウ糖を尿糖として排泄することを狙っています。

「選択的」の意義

SGLTには、尿管に発現するSGLT2の他に、腸管や遠位尿細管に発現するSGLT1があります。SGLT1を阻害することにより下痢が発現するため、SGLT2だけを選択背的に阻害する必要があります。

体重減少効果

SGLT2阻害剤では体重の減少が報告されています。

これはSGLT2阻害剤のメリットと考えられますが、非肥満者では骨格筋の減少によって体重が減少することが示唆されています。

肥満者では脂肪が減少します。

肥満者、非肥満者ともに、運動療法をきちんと並行して行う事が必要です。

懸念される副作用

尿にブドウ糖が含まれるため細菌が発育しやすくなり、尿路感染症が発現することが報告されています。

また、通常はメリットとされる体重減少も、非肥満者では有害事象になり得ます。

SGLT2阻害剤一覧

製品名 一般名 製薬会社 備考
スーグラ錠 イプラグリフロジン アステラス製薬
寿製薬
MSD
2014年1月承認
フォシーガ錠 ダパグリフロジン アストラゼネカ
ブリストル・マイヤーズ
小野薬品工業
2013年3月申請
ルセフィ ルセオグリフロジン 大正製薬
大正富山製薬
ノバルティスファーマ
2013年3月申請
カナグル錠 カナグリフロジン 田辺三菱製薬
第一三共
2013年5月申請
アプルウェイ錠
デベルザ錠
トホグリフロジン サノフィ
興和
2013年6月申請
エンパグリフロジン 日本イーライリリー
日本ベーリンガーインゲルハイム
2013年10月申請
 (PF-04971729) (ファイザー)