後発品利用率
政府は医療費削減のため後発品利用率を上げようとしています。
そのため、後発品の利用割合が多い病院や調剤薬局にはより多い報酬が与えられる仕組みになっています。(厚生労働省はこういった誘導をよく行います)
後発品利用率は 「後発品」/「後発品のある先発品」+「後発品」 で求められます。
この計算式は曲者で、例えばある病院が後発品利用率60%を達成したとしても、ある先発品が特許切れで後発品発売、ということになると分母が増えるため、そのままでは後発品利用率を維持できない仕組みになっています。
後発品利用率を維持するためには新たに後発品が発売となった先発品を切り捨てるのが手っ取り早くなってしまいます。
2014年以内に発売されるであろうブロプレスの後発品を例にとると、9月にオーソライズドジェネリックであるあすか製薬のカンデサルタン錠が発売されます。そして通常のジェネリックは12月に発売となりそうです。
ということは9月~10月にはすでに分母が増えて後発品利用率が下がることになります。あすか製薬のオーソライズドジェネリックを採用せず、通常のジェネリックを採用する病院は3か月間を後発品利用率が下がった状態で過ごすことになります。
様々な条件にもよりますが、DPCという算定の仕組みをとっている大病院を想定すると、この3か月間での損失が1000万円ということもありえます。
このような仕組みではオーソライズドジェネリックに使用が集中してしまうのではないでしょうか?
また、そうなった場合他企業の参入が抑制され、価格競争も起きにくくなりジェネリックの価格が高止まりすることも考えられないでしょうか。
せっかくの医療費抑制策の効果が減弱してしまうとしたら・・・
この辺りは今後何らかの厚労省の動きがあるかもしれません。