平成22年4月30日に「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」として厚生労働省医政局長通知が発出されました。
チーム医療の必要性が叫ばれる中で、「では各職種で何ができるのか?」を取りまとめた内容になっています。
近年広がりつつある「日本版CTDM」といった取り組みでは薬剤師が薬学的見地から処方の追加などを行っていますが、これらは通常この通知を法的な根拠としています。
2.各医療スタッフが実施することができる業務の具体例
(1)薬剤師
近年、医療技術の進展とともに薬物療法が高度化しているため、医療の質の向上及び医療安全の確保の観点から、チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが非常に有益である。
また、後発医薬品の種類が増加するなど、薬剤に関する幅広い知識が必要とされているにもかかわらず、病棟や在宅医療の場面において薬剤師が十分に活用されておらず、注射剤の調製(ミキシング)や副作用のチェック等の薬剤の管理業務について、医師や看護師が行っている場面も少なくない。1)薬剤師を積極的に活用することが可能な業務
以下に掲げる業務については、現行制度の下において薬剤師が実施することができることから、薬剤師を積極的に活用することが望まれる。
- 薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。
- 薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等について、医師に対し、積極的に処方を提案すること。
- 薬物療法を受けている患者(在宅の患者を含む。)に対し、薬学的管理(患者の副作用の状況の把握、服薬指導等)を行うこと。
- 薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、副作用の発現状況や有効性の確認を行うとともに、医師に対し、必要に応じて薬剤の変更等を提案すること。
- 薬物療法の経過等を確認した上で、医師に対し、前回の処方内容と同一の内容の処方を提案すること。
- 外来化学療法を受けている患者に対し、医師等と協働してインフォームドコンセントを実施するとともに、薬学的管理を行うこと。
- 入院患者の持参薬の内容を確認した上で、医師に対し、服薬計画を提案するなど、当該患者に対する薬学的管理を行うこと。
- 定期的に患者の副作用の発現状況の確認等を行うため、処方内容を分割して調剤すること。
- 抗がん剤等の適切な無菌調製を行うこと。
(医政発0430第1号 医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進についてより抜粋)
この通知にあるような薬剤師を含めた多くの職種によるチーム医療は今後急速に広がっていくものと思われます。