T-705は、富山化学工業が開発を進めている新規作用機序の抗インフルエンザウイルス薬。
既存の抗インフルエンザウイルス薬であるノイラミニダーゼ阻害剤やM2チャンネル阻害剤とは作用機序が異なる。
ノイラミニダーゼ阻害剤が細胞からウイルスが遊離するのを防ぐのに対し、T-705は細胞内でのウイルス複製に必要なRNAポリメラーゼを阻害しウイルスの増殖を抑制する。
近年報告が相次いでいる抗インフルエンザウイルス薬耐性ウイルスに対しても効果が期待できる。
2014年、日本政府がT-705を備蓄する方針を固めた。
追記:
2014年2月3日、薬事承認され、その取扱いが見えてきました。
商品名はアビガン錠。
現時点では、平時は使用せずあくまでパンデミック時に使用するための備蓄になること、その場合でも、既存のノイラミニダーゼ阻害剤が効かなかった患者だけに使用することなどが盛り込まれました。
また、重要な情報として、催奇形を有することもわかってきました。
これらの条件の為、厳重な流通管理が行われることが予想されます。