坐薬は英語でSuppositorie(サポジトリ)と書きます。
おくすりの剤型としては古くからあるもののひとつです。
初回通過効果回避
飲み薬は通常吸収されると、血液にのってまず肝臓に届き、そこで初回通過効果と呼ばれる肝臓の洗礼を受けます。
つまり、体内で薬効を発揮する前に代謝されてしまうわけです。
(初回通過効果で代謝を受けやすいか受けにくいかはおくすりによって違います)
坐薬は直腸の粘膜から吸収されますが、この粘膜のうち肛門側(下部)から吸収されたおくすりの成分は、肝臓を通りません。
つまり初回通過効果を受けないことになります。
これは坐薬の大きな特徴です。
飲み薬と比べて早く効く?
ボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)の錠剤と坐剤(いずれも25mg)の最高血中濃度到達時間を見ると、
- 錠剤: 約2.7時間
- 坐剤: 約0.8時間
とあり、坐薬の方がかなり早いことがわかります。
しかし、他の坐薬の最高血中濃度到達時間では、
- ナウゼリン(ドンペリドン)坐剤: 約2時間
- インテバン(インドメタシン)坐剤: 1.5~2時間
と、かなり時間のかかる坐剤も見受けられます。
結論としては、坐剤によって違うということになってしまいます。
これは坐剤の基剤と呼ばれる薬効成分以外の作り方でも吸収速度が大きく変わってしまうためです。