FOLFOX+bevacizumabに対するSOX+bevacizumab療法の非劣性を検証した第III相試験。
Lancet Oncol 14: 1278–1286, 2013にて報告されたことを受け、大腸癌研究会が大腸癌治療ガイドライン速報版 2013年12月として発表。次期ガイドライン改訂時に記載されると思われる。
対象
前治療歴のない切除不能進行再発大腸癌患者
主要評価項目
無増悪生存期間
結果要約
無増悪生存期間中央値で非劣性が証明された。
Grade3以上の有害事象として、FOLFOX+bevacizumab療法群で白血球減少及び好中球減少が有意に多かった。
SOX+bevacizumab療法群で下痢、食欲不振の頻度が有意に高かった。
また、SOX+bevacizumab療法で、クレアチニンクリアランス70mL/min未満の患者でGrade 3以上の下痢の頻度が21%であったのに対し、クレアチニンクリアランス70mL/min以上の患者で6%だった。
意義
切除不能進行再発大腸癌の1次治療の選択肢が増えた。SOXはオキサリプラチン(商品名エルプラット)+S1(商品名ティーエスワン)の併用療法。
FOLFOXのように持続ポンプで5-FUを投与する必要がなく、患者負担が減る反面、内服であるS1を使用するため、服薬アドヒアランスが重要となる。
また、SOX+bevacizumab療法で下痢、食欲不振に注意が必要となるが、腎機能によって発現頻度がかなり異なっている。腎機能が落ちている場合は特に下痢に注意が必要と考えられる。