アルコール依存症に対する医薬品としては30年ぶりの新薬になります。
日本ではこれまでジスルフィラム(ノックビン)、シアナミド(シアナマイド)の2薬剤が使用されてきました。
これらはアルコールの中間代謝産物のアセトアルデヒドを分解する酵素の働きを阻害する作用があり、これらを服用後に飲酒すると、強い不快感が起こるので、アルコール依存症の治療に用いられています。
この作用から「嫌酒薬」とも呼ばれます。
レグテクト錠(アカンプロサート)はこれらのおくすりとは根本的に異なります。
作用機序
アルコール依存では中枢神経系の主要な興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経の活動が亢進し、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の間に不均衡が生じると考えられています。
レグテクトはグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで神経伝達の均衡を回復し、アルコールへの欲求や、アルコール摂取による快感自体を抑えてしまう、と考えられています。