今シーズンから日本のインフルエンザワクチンは4価となりました。
ワクチンに含まれるウイルス抗原は流行を予測して毎シーズン変わります。今シーズンのウイルス株は下記のようになっています。
A型株 | A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09 A/スイス/9715293/2013(H3N2) |
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B型株 | B/プーケット/3073/2013(山形系統) B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統) |
B型が2種類に
これまで日本のインフルエンザワクチンにはA型2種類、B型が1種類含まれていました。
WHOは2013年に4価ワクチンを推奨しています。アメリカではこれを受けて既に4価ワクチンが導入されています。
B型が2種類になった背景
B型インフルエンザウイルスは主に流行を繰り返している2系統(ビクトリア系統と山形系統)で、その遺伝子の相違が大きいと言われています。ワクチンに含まれる系統とそのシーズンで流行した系統が異なる場合、ワクチンの効果は全く期待できなくなります。
特に近年ではビクトリア系統と山形系統の混合流行というケースも目立ち始めています。WHOがB型インフルエンザウイルスを2系統含む4価ワクチンを推奨したのには、そのような背景があると思われます。
2013年のWHO推奨から導入に時間がかかった背景
2013年のWHO推奨から、インフルエンザワクチンを4価にするような提言は日本国内でも起こっていました。ですが、日本では生物学的製剤基準でワクチンに盛り込めるウイルス総蛋白量の上限値が規定されており、3価ワクチンのウイルス総蛋白量は既にこれに迫るものでした。厚労省は4価ワクチンを導入するためには生物学的製剤基準を改訂する必要があったのです。
今回、生物学的製剤基準でのワクチンに盛り込めるウイルス総蛋白量の上限値が上方修正されたことから日本でも4価ワクチンが承認されることとなりました。