オーソライズドジェネリック(AG)は「先発品メーカーから公認された後発品」がそのままの意味となります。
実際には先発メーカーから特許の使用権が与えられたジェネリックを指し、適応、原料、添加物、製造法などが先発品と全く同じ製剤ということになります。また、通常のジェネリック医薬品と異なり、オーソライズドジェネリックは先発品が特許切れする前から製造販売できます。
この期間はジェネリックとしては独占的に販売できることになります。
このような特徴を持つオーソライズドジェネリックですが、日本では新しい販売方法のためか、まだまだ情報が少ない状況です。
オーソライズドジェネリックの説明として「特許切れの前から半年(180日間)の独占販売が認められています」といった誤った情報も見受けられます。
もともとはアメリカの制度から
オーソライズドジェネリックはアメリカで生まれました。
アメリカではそもそもオーソライズドジェネリックが生まれる以前から、最初に申請された後発品については180日間独占的に販売できるという制度がありました。
オーソライズドジェネリックはこの独占販売期間への対抗策として先発メーカーが子会社や提携会社を通じて打ち出したものです。
つまりアメリカでは最初に申請した企業のジェネリックとオーソライズドジェネリックが180日間市場を争い、その後多数の企業が市場になだれ込んでくる、という形になっています。
このように、180日の独占期間が認められているのはオーソライズドジェネリックではなく最初のジェネリックですし、そもそも日本では最初のジェネリック医薬品の180日間の独占販売という制度自体がないわけですから、オーソライズドジェネリックの独占期間が180日ということにもなりません。
オーソライズドジェネリックの独占期間
上記のように、日本においてオーソライズドジェネリックは国から独占期間を保証されているものではありません。
企業としてはオーソライズドジェネリックをいつ発売しても構いません。(ただし、制度上ジェネリックは薬価収載されてから3か月以内に発売しなければなりません)
薬価収載されたものの、実際には発売されなかったケースもあります。(リバロやアレグラのオーソライズドジェネリックなど、参照:オーソライズドジェネリックをめぐる最近の動き)
なぜいま日本でオーソライズドジェネリックが出始めたのか
日本ではこれまで後発品が市場に参入しても、先発品の売り上げが急激に低下することがありませんでした。
この背景には日本の後発品利用率の低さがありそうです。
ですが厚生労働省の方針により最近は後発品利用率が急激に上がってきています。
先発メーカーとしても長期収載品として販売を続けるよりはオーソライズした方が収益的に有利と判断するようになったのではないでしょうか。