医薬品プロファイル
1バイアル(100mL)中、アセトアミノフェン1000mgを含む。
販売はテルモ。
開発経緯
アセトアミノフェンの注射剤は欧州で2002年より、アメリカでは2011年より使用されています。
日本では緩和医療学会からの要請を受け、テルモが開発。
国内臨床試験はⅠ相のみで承認となりました。
特徴
日本初のアセトアミノフェン注射剤です。
(アセトアミノフェンはこれまで内服、坐薬が使用されていました)
RTU(ready to use)であり、そのまますぐに使用できる剤形となっています。
混合せず、単独ルートでの投与が基本であり、希釈なども通常行いません。
内服と注射の比較
データ上は内服に比べて注射の方が早く血中濃度が上昇し、最大血中濃度も高くなります。
ただし、臨床試験結果での実際に投与された患者さんの体感としてはあまり差が無いと思われます。小児の解熱の臨床試験結果では、30分から3時間の間、解熱効果がみられ、これは内服とあまり変わりません。
注意点
用量に関わらず15分間で静脈注射する必要があります。15分間よりも早い投与も遅い投与も望ましくありません。アセトアミノフェンプロドラッグの試験結果から、投与時間を遅くすることで、効果が出ない可能性が示唆されています。
バイアルは堅く、通気針を使用する必要があります。
結晶が析出することがあるようですが、60℃湯煎で溶解することで、再度使用することができます。
対象患者さん
がん医療を中心とする緩和医療学会からの申請ですので、がん領域での緩和医療で活躍することも考えられますが、まずは手術直後の疼痛管理などに使用されるのではないかと言われています。
静注という投与方法からも普段の疼痛管理には不向きであり、緩和医療としては、末期(ターミナル)での使用が考えられます。