予防接種法で定められたワクチンの接種間隔は、治験などで有効性と安全性を検証した最も推奨される間隔で設定されています。
ですが、定期接種では同じワクチンを数回にわたって接種することが多く、近年定期接種ワクチンの種類が急速に増えて接種スケジュールが過密化してしまったこともあり、接種の機会を逃してしまうケースが増えていると予想されます。
このような状況を踏まえ、「同じワクチンを接種する際の間隔」について、厚生労働省の分科会による検討が行われました。(第7回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会基本方針分科会:平成25年11月18日開催)
接種機会を逃してしまった場合に、定められた間隔から外れて接種しても良いのか?がポイントになります。
接種間隔が開いてしまった場合の有効性、安全性
- 一般的に推奨されている予防接種スケジュールよりも、接種間隔が開いてしまった場合でも、通常、最終的な抗体産生量が有意に減少することはないとされている。
- また、一般的に接種間隔が開いてしまったことで、副反応のリスクが高まるとの報告もない。
- 一方、接種間隔が短すぎるため効果が不十分との報告はある。
- 接種間隔が開くことでその間は感染リスクが高くなる。
同一ワクチンにおける接種間隔について (案) 平成25年11月18日 厚生労働省結核感染症課 より抜粋
このような状況から、
- 通常よりも間隔が空いてしまっても、デメリットは小さい
- 接種間隔としては標準的な上限を設定すべきではないか
- 通常の接種間隔を超えてしまっても、上限の範囲内であれば定期接種として扱ってはどうか
といった議論がなされた模様です。
予防接種法の改訂として形になるのはまだ先になりそうですが、より柔軟に予防接種を受けれるよう厚生労働省でも検討を重ねているようです。