ブリストル・マイヤーズよりダクルインザ錠とスンベプラカプセルが発売となりました。
C型慢性肝炎初のインターフェロンフリー療法で、2種類の飲み薬だけで治療が完結します。
- ダクルインザ錠 60mg(ダクラタスビル塩酸塩錠):HCV NS5A複製複合体阻害剤
- スンベプラカプセル 100mg(アスナプレビルカプセル):HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤
適応
セログループ 1(ジェノタイプ 1 )のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変における次のいずれかのウイルス血症の改善
- インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者
- インターフェロンを含む治療法で無効となった患者
特徴
臨床試験結果から、これまでの治療と比べ下記のような患者条件に影響を受けにくいと考えられます。
- IL28B遺伝子
- HCV RNA量
- 年齢
- 性別
耐性について
HCVのNS5AあるいはNS3に遺伝子変異がある場合は耐性株と考えられます。
この遺伝子領域のうち両方に変異があれば本治療のSVRは40%にまで落ちます。
このため、本治療を開始する際にはウイルス耐性の検査を事前にすることが有用です。
ですが、費用は通常自費となり、1~2万円程度になるため、この検査を行わないで治療を開始するケースも考えられます。
特にご高齢で次の治療まで待機することが難しい場合は遺伝子検査をパスすることもありそうです。
耐性であった場合
上記のように耐性であっても治療を行うかどうかは様々な条件によって判断していくことになります。
- 耐性であれば基本的にはシメプレビル3剤併用を行う(が、2剤経口も優先度は低いがありうる)
- 耐性であっても40%くらいの奏効率がある
- 若くて肝細胞の線維化が進んでいないのであれば、次の治療薬を待つという選択肢もある
飲み方
ダクルインザ: 1日1回 1回1錠
スンベプラ: 1日2回 1回1カプセル
飲み忘れに気づいたら
次の内服時間まで4時間以上あればすぐに服用してください。
次の服用まで4時間未満の場合は、飲み忘れた分はスキップし、次の服用分(1回分)を通常のスケジュール通りに服用してください。
2回分を1度に服用してはいけません。
副作用
特徴的な副作用に肝機能障害、頭痛、発熱、倦怠感などがあります。
いずれも出現する時期が4~23週と定まっていません。
特に肝機能障害は重要で、本治療を行っている間はこまめに肝機能検査を受ける必要があります。