医薬品プロファイル
抗アレルギー剤としてはもはやお馴染みともいえるアレジオン(エピナスチン塩酸塩)。
1994年に内服錠が発売され、今ではOTCとして薬局でも購入できる同成分が、9年越しで点眼薬として発売になりました。
また、この分野の医療用医薬品点眼剤としては7年ぶりの新薬になります。
特徴
- pH、浸透圧が涙液に近く、しみにくい
- H1ブロックとメディエーター遊離抑制作用を併せ持つ
- 長期(56週)での経時的な効果と、即効性を併せ持つ
- 1度の点眼で、8時間ほど効果が続く
臨床試験
試験はCAC試験や長期投与試験が行われました。
- CAC試験:対象薬を点眼後、数時間後にスギ花粉抗原を点眼、その20分後までのスコアを見る
主に対プラセボでの優位性と、対オロパタジン(パタノール)での非劣性が確認されています。
逆に、試験のなかで有意差がつかなかった点として、「アレジオン点眼8時間後に抗原曝露した際の、20分時の結膜充血スコア」が挙げられます。
この結果から、結膜充血に対しては、点眼後時間が経つと効果が薄れやすい、ということが言えます。
ただし、掻痒感スコアは8時間後も有意差をもっています。
また、1日4回という用法を守れば通常は睡眠時以外は8時間以上の時間があくことはありませんので、臨床上の問題は無いように思えます。
注意点
14日の長期投与制限があります。
保険診療上、地域にもよりますが、1回の処方では2本から4本までが限界と思われます。