脂肪酸
脂肪酸は、炭素(C)が18個、直列に繋がった構造を基本とします。
炭素どうしは手で繋がっていますが、その手が1本(C-C)だったり2本(C=C)だったりします。
飽和脂肪酸は全ての手が1本の最も基本的な形をしています。
2本の手が左から数えて9番目に初めて登場するのがω9、6番目に登場するのがω6、3番目に登場するのがω3です。
ω6とω3からは、生体の維持に必要な様々なホルモン様物質が作られます。
また、ω3からは有名なDHAやEPAが作られます。
飽和脂肪酸、ω3、ω6、ω9の基本形は、それぞれステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、αリノレン酸です。
ステアリン酸(飽和脂肪酸)
C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-C-COOH
オレイン酸(ω9)
C-C-C-C-C-C-C-C-C=C-C-C-C-C-C-C-C-COOH
リノール酸(ω6)
C-C-C-C-C-C=C-C-C=C-C-C-C-C-C-C-C-COOH
α-リノレン酸(ω3)
C-C-C=C-C-C=C-C-C=C-C-C-C-C-C-C-C-COOH
C: 炭素
O: 酸素
H: 水素
人はω3とω6を体の中で作れない
植物は自分のもつ酵素で、ステアリン酸からオレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、と順番に変換していくことができます。
ところが、哺乳類はオレイン酸以降の変換酵素を持っていません。
これは2つのことを意味します。
- ω6とω3は、食事で摂る必要がある
- ω6とω3は、それぞれ別に摂る必要がある
これらは必ず食事で摂る必要があるため、必須脂肪酸と呼ばれます。
また、人はω6からω3への変換が出来ませんので、それぞれ摂取する必要がありますし、ω6系のリノール酸を一生懸命摂っても、体のなかでω3系のDHAは増えない、ということも言えます。
それぞれが含まれる食品の一例
ステアリン酸(飽和脂肪酸)
パーム油、動物性食品
オレイン酸(ω9)
オリーブ油、動物性食品
リノール酸(ω6)
植物油(菜種油、紅花油など)、種子、穀類
α-リノレン酸(ω3)
植物葉、植物根、植物プランクトン、魚介類、エゴマ油(シソ油)