アブストラル舌下錠とイーフェンバッカルの比較


2013年12月12日に協和発酵キリンからフェンタニルの舌下錠「アブストラル」が発売となりました。
これまで日本では経口フェンタニル速効製剤という選択肢はありませんでしたが、9月26日に発売となっていた大鵬薬品の「イーフェンバッカル」と合わせて2剤型が揃ったことになります。
いずれも口腔粘膜吸収剤ですので、正確には「経口」ではありませんが、患者さんが手元に置いておけるレスキュー剤の選択の幅が広がった形です。

添付文書情報などから2剤を比較してみました。

アブストラル舌下錠とイーフェンバッカルの比較表

アブストラル イーフェン
剤型 舌下錠 バッカル錠
規格ラインナップ(μg) 100、200、400 50、100、200、400、600、800
開始用量 100μg 50μg、100μg
最高用量 1回800μg 1日4回まで 1回800μg 1日4回まで
使用後に痛みが続く場合の追加タイミング

(患者判断で1回だけ可能)

30分後 30分後
最短投与間隔 2時間 4時間
100μgを使用した際の薬物動態パラメータ(健康成人) tmax(h) 0.50(0.31-2.00) 1.5(0.50- 3.00)
Cmax(ng/mL) 0.187±0.061 0.45 ± 0.17
AUC0 ~ ∞
(ng・h/mL)
0.974±0.332 1.86± 0.47
t1/2(h) 5.02±2.58 2.60 ± 0.940
製剤錠の工夫 粘膜付着剤によるキャリア粒子の口腔粘膜への付着(粘膜への保持)、その後の吸収のための崩壊剤の配合。 炭酸ガス発泡及びpH調節による、口腔粘膜吸収率の改善。

イーフェンは添付文書に薬物動態パラメータが3種類記載されています。

  1. 健康成人(30分で嚥下した場合)
  2. 健康成人(嚥下しなかった場合)
  3. 癌性疼痛患者

ここでは、アブストラルの添付文書情報と合わせるために、2.の健康成人データで比較しました。

また、アブストラル、イーフェンともに、同じ200μgでも、200μg錠を1個使用した場合と、100μg錠を2個使用した場合とで吸収速度などが変わってくる可能性もあります。